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産後骨盤ダイエットの効果的な方法について




出産後、多くのママたちを悩ませるのが「産後太り」です。お腹の肉がたるみ、わき腹や腰周りもふっくら膨らみます。また、妊娠前にみられたクビレはなくなり、骨盤が開いた影響で、おしりがドッシリとしていて、おばさん体型になってしまう方も。こういった身体の変化に焦りを感じて、出産後すぐにダイエットを始められる方も多くいらっしゃいます。

しかし、産後はとてもデリケートな状態ですので、すぐにダイエットを行うことで身体を壊してしまう可能性があります。今回は、産後の身体を労わりながら行う「産後骨盤ダイエット」について解説をしていきましょう。



産後骨盤ダイエットとは

産後骨盤ダイエットとは、妊娠から出産にかけて増えてしまった体重や崩れてしまった体型を元に戻そうとする骨盤ケアを含めたダイエット手法です。しかし、一般的に知られているダイエットよりも更に「体調の管理」が徹底され、「体力の回復」や「メンタルの安定」にも重点が置かれているところが産後骨盤ダイエットの特徴といえます。

つまり、産後骨盤ダイエットは元の状態に戻そうとする「リハビリ」的な意味合いを持つと同時に、これから起こるであろう様々なイベント(授乳、育児、職場復帰)に耐えうる身体をつくるための「トレーニング」的な意味合いもあわせもったダイエットと言えます。



産後骨盤ダイエットはいつからしていい? 


産後骨盤ダイエットをいつから始められるかは、ママの体調や体の回復スピードによって個人差がありますが「産褥期(さんじょくき)」と呼ばれる、出産後8週を過ぎたあたりから始めるのが良いです。



まずは専門院で骨盤矯正を受けよう!

産褥期が過ぎ、体調が落ち着いたら、専門院で産後骨盤矯正を受けましょう。インターネットや書籍でもセルフケアで行う骨盤矯正が数多く紹介されていますが、効果については正直期待できないものがほとんどですので、「骨盤の歪み」は、専門家にお願いする方が良いでしょう。


自宅でのエクササイズ

骨盤矯正を開始したタイミングで少しずつ身体を動かしていきます。しかし、焦ってハードなダイエット運動を行うと、筋肉や骨盤に悪い影響がでてしまいます。産褥期を過ぎたとは言え、身体はまだ通常時に比べると弱くなまった状態にあります。まずは「順応期間」であることを意識して、運動はストレッチや軽めのエクササイズ程度にとどめておきましょう。この辺は、専門家の先生にアドバイスをもらうと良いかもしれません。


骨盤矯正の施術を受けながら、順応期間を過ぎると、施術の効果もあって、それまであった痛みの軽減や身体自体がだいぶ動かしやすくなり、心にもゆとりが生まれてきます。そのような状態になったら、今までの運動メニューに負荷を加えていくため、徐々に筋トレの割合を増やしていくことになります。




産後ダイエットの効果的な方法(食事)


産後は体を回復させることが何よりも大切です。体重を軽くしたい、ボディーラインをきれいにしたいという気持ちは分かりますが、まずは土台となる健康体をつくることから始めなければなりません。

産後の効果的な食事方法について、それぞれ見ていきましょう。


1.栄養バランスに気をつける

産後の身体は骨密度が低く、血液もたくさん失った状態にあります。体力も低下していて、いろいろなところが傷んでボロボロになっていますので、それらを修復・回復するためにもしっかりと食べて、バランスよく栄養を摂取する必要があります。

また、授乳をしているママは、赤ちゃんに届ける栄養も必要になりますので、普段より少し多めの栄養をとるべきでしょう。赤ちゃんに与える母乳は血液が主な材料になりますので、その元となる「葉酸・ビタミンC・カルシウム・鉄分」といった栄養素は、特に不足しないように注意しましょう。



2.必要以上にカロリー制限をしない

赤ちゃんに母乳を与える際に必要となるエネルギー量は約360kcalと言われています。通常時における女性の推奨摂取エネルギー量が「1日約2,000kcal」と言われていますので、母乳を与えるとなると、単純計算で「1日約2,360kcal」が必要となります。


よく「赤ちゃんに母乳を与えると痩せる」といわれるのはこのためなのですが、痩せたいがためにカロリー制限ダイエット(食事)をして、本来必要となるエネルギー量を削るのはおすすめできません。もちろん、必要以上のカロリーをとらないようにするためのカロリー制限は産後ダイエットにおいても大切ですが、基礎体力を落とすような制限は、健康を損なう可能性もありますので控えましょう。



3.食べ物に何が含まれているかを確認

「身体に悪いものは食べない」というと当たり前の話のようにきこえますが、普段何気なく食べているものを改めて見直してみると、意外と多くの不必要な成分が含まれていることがあります。たとえば、肉のあぶら身やバターなどに多く含まれている「飽和脂肪酸」は、産後ダイエットをする上ではできるだけ避けたい成分です。

また、こういった成分は産後ダイエットを阻害するだけではなく、母乳にも悪い影響を与える可能性がありますので、注意した方が良いでしょう。


※飽和脂肪酸は主に肉の脂身や鶏皮、乳製品などの動物性食品やパーム油に含まれています。 脂質はエネルギー源および細胞膜の構成要素としての重要役割があります。 しかし飽和脂肪酸を過剰に摂取すると肥満や高LDLコレステロール血症を招き、心筋梗塞などの循環器疾患の発症リスクを高めてしまいます。



産後ダイエットの効果的な方法(運動)


通常のダイエットでは、消費カロリーを多くして脂肪を燃焼しながら痩身を目指すことが主な方法となりますが、産後ダイエットにおいては、衰えてしまった筋肉を鍛えなおし「機能を取り戻す」ことにも着目しています。

運動の開始にあたっては、無理をしないよう段階的に負荷を上げていくとよいでしょう。


1.骨盤底筋体操

骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)とは骨盤の底部にある筋肉の集まりで、膀胱や子宮、直腸を支えています。

骨盤底筋群は出産によってダメージを受け、ゆるんでいますので、少しずつ動かして鍛えていきましょう。


①仰向けになり、足を腰幅に広げます。足裏が地面にしっかりつくようにひざを立てます。両手は横に添えて、鼻筋は天井に向けます。


②肩からひざまで 一直線になるようにお尻を持ち上げるます。1、2、3と3秒ほど時間をかけながらゆっくりとお尻を持ち上げましょう。お尻が持ち上がった状態で一旦停止で、肩からひざまでが一直線になるのを確認したのち、今度は3秒使って、ゆっくり①の状態へ戻します。


この一連の動きを、1日に1セット10回を3セット、合計30回行うようにしましょう。慣れてきたら1セットあたりの回数を増やして負荷を増やすと良いです。




2.スクワット

産後ダイエットのトレーニングに関しては、その分野だけに特化した書籍があるほど、実に多くの方法があります。

その中でもダイエットでおすすめなのが「スクワット」です。スクワットで鍛える大腿四頭筋は、体の筋肉の中で1番大きい筋肉です。この筋肉を鍛えて、より代謝アップを目指します。


スクワットにはナロースタンス、ノーマルスタイル、ワイドスタンスと言ったら足幅に広さに応じた種類がありますが、産後は普通のスクワットより足幅を広げたワイドスタンスがおすすめです。足幅を広げるために筋肉への負荷が増えるのと、O脚改善を目指せます。 またひざへの負担が少ないこともメリットです。


①足を腰幅より広く開いて、つま先と膝を同じ向きにする

②両腕を前に出す

③お尻を後ろへと突き出すように、股関節から折り曲げていく

④太ももが床と平行になるまで下ろす

⑤ゆっくりと戻す


この一連の動きを、1日に1セット5〜10回を3セット、合計15〜30回行うようにしましょう。

慣れてきたら1セットあたりの回数を増やして負荷を増やすと良いです。



3.プランク

プランクは腹直筋や腹斜筋だけでなく、インナーマッスルも鍛えられるため、体を内側から支える力が強くなります。 インナーマッスルが強くなると良い姿勢を保てるようになり、基礎代謝もあがるので痩せやすくなるというメリットも。 腹筋全体とインナーマッスルまでバランスよく鍛えられるので、お腹周りが引き締まりが期待できます。


①うつ伏せになり両肘を曲げて床につける。 こぶしを軽く握り前方へ。

②つま先だけを床につけ、腰を浮かせてキープします。

③腰が高すぎたり低すぎたりしないよう、頭から足先まで一直線になるよう意識します。


時間の目安は2分

プランクに取り組む時間は、1セット20〜60秒が目安です。 無理をせず1回3〜5セット、1日の合計時間は2分を目標にしましょう。

慣れてきたら1セットあたりの時間を増やすと良いです。




産後ダイエットの効果的な方法(メンタル)


どのようなダイエットにも、ある程度のストレスはつきものですが、ストレスを受けると、コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが分泌され、このホルモンが成長ホルモンの働きを阻害し、基礎代謝を下げることになります。その結果、身体の脂肪が燃えにくくなると言われているため、産後ダイエットを行う上でもメンタル管理はとても重要なのです。



1.無理に痩せたいと思わない

ダイエットなのに痩せたいと思わない?何を言っているのかと思われますが、ある研究では痩せたいと思えば思うほど、ストレスホルモンのコーチゾールの分泌を促し、痩せづらくなるというデータがあります。無理に痩せようと考えてるのではなく、「綺麗になりたい」とか「健康になりたい」など、違う視点で考えてみるのも良いかもしれません。 


2.十分な睡眠をとる

出産を終えたママさんたちは、体のダメージや体力の衰えが完全に回復される前に、夜泣き・授乳・育児といった新たな試練に立ち向かうことになります。これによって睡眠リズムが崩れ、慢性的な睡眠不足に陥るケースも多々あります。睡眠をとる時間帯がランダムになったり、睡眠時間が削られたりすると、体力が低下するだけではなく、「産後うつ」を発症する危険性も高くなります。

旦那さんなど、ご家族の協力を得て、しっかりと睡眠がとれる日を確保することも大切でしょう。



3.他人と比較しない

アイドルや女優さん、ママ友と自分を比べないことも重要です。人それぞれ、体質や生活習慣も全く違うので、個人差があって当然なのだと考えましょう。他人と比較して悩んだり無理をしたりするのではなく、自分にあったペースを確立することが大切です。




さいごに

たるんだお腹をひきしめ、体重や体形を妊娠前の状態に戻すことは、美容の観点においてはとても素晴らしいことです。しかし何よりも大切なことは、心身ともに健康であることです。赤ちゃんの誕生や新たな家庭をもつ喜びを感じたり、一緒に楽しく遊んだりするためには、心身共に健康でなくてはなりません。また、メンタルが落ち込み、やつれた状態のママさんでは、赤ちゃんにも悪い影響を及ぼしかねません。

まずは健康になることを第一に考え、その上で「おしゃれなママ」や「綺麗なママ」を目指してみてはいかがでしょうか。ご自身の生活と体調を整えるという視点で「産後骨盤ダイエット」を行っていきましょう!

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