変形性膝関節症とは、膝の関節の軟骨が摩擦や加齢、筋肉量の低下などによりすり減ったために、関節内で炎症が起きたり、関節が変形してしまい、膝に痛みや腫れ、水がたまってしまう病気です。
軟骨がすり減ったために、膝関節の骨と骨の隙間が狭くなり、骨の内側ヘリに突起物(骨棘:こつきょく)が出来たり、骨が変形してしまいます。
また、関節を袋のように包む関節包(かんせつほう)の内側で炎症が起きるので、滑膜(かつまく)から分泌され関節を動きやすくする潤滑油の働きをする関節液の量が増えるため、「水がたまった」状態になります。
本来は粘り気のある液体ですが、炎症が起きた状態になると粘り気が失われ、「水」のような状態になります。
1:4の比率で女性に多く、高齢になるほど罹患率は高くなります。
初めのころは動き始めに痛みが生じても、休めば痛みが治まりますが、進行すると安静にしていても痛みが取れず、日常生活にも影響が出て、歩くことも困難になることがあります。
日本特有生活様式(正座やあぐら、和式トイレ等)も膝の変形を促す要因の一つです。
加齢や肥満、O脚、閉経によるホルモンバランスの変化、スポーツによるオーバーユース(使い過ぎ)、遺伝など様々な要因が絡み合っている場合が多く、単一ではありません。
特に高齢になると罹患率が高くなるので、最も大きな原因は加齢であると言われています。
関節軟骨が老化や弾力性の低下によりすり減り、膝が変形するためです。
また、すり減りに対しての修復力の低下も加齢による変形性膝関節症の要因の一つと言われています。
さらに膝は、常に体重の4~6倍もの負荷がかかっている状態であると言われているため、肥満も大きな原因の一つになります。