top of page

親の運動神経が子どもに遺伝する!?運動神経アップのポイントをご紹介




よく

「子どもの運動神経は、親からの遺伝によって決まる」

「うちの子は私に似て運動音痴」

「私が運動音痴だから、子どもに遺伝したら嫌だなぁ」

なんてお話やお声を耳にします。


じつはコレ、大きな間違い!!


今回は、実際に親から子どもへ運動神経が遺伝するのかを詳しく解説していきます。子どもの運動神経アップのコツ、効果的な遊びも一緒にご紹介していきますのでぜひ最後まで読んでみてください。



親の運動神経は子どもに遺伝するのか?


一般的に運動神経は遺伝するって思ってる人が多いかと思いますが...

コレは大きな間違いです。

運動神経は誰でも持っていて、脳の働きが大きく関与しています。

例えば、「走る」という動作をするためには、瞬時に脳から神経伝達が神経細胞を介し、脊髄⇒末梢神経(まっしょうしんけい)⇒筋肉に伝達されます。この一連の流れがあってはじめて、「走る」という動作が出来るわけです。

この脳の伝達回路を「運動神経」と呼び、繰り返し "走る" ことによって伝達回路が良く形成されていきます。


同様に「投げる」「跳ぶ」など様々な動きを経験することで、さらに新しい伝達回路を形成していきます。このように、神経は使えば使うほど活性化され、情報伝達を効率よくスムーズにする特徴をもっています。上手に身体を使える「運動神経」の良さとは、どれだけ身体を動かしているかが重要なのです。

よって、「運動神経」は生まれ持ったものではありません。「運動神経」は ”幼少期の効果的な運動体験によって形成される環境的後天的なもの" なので、遺伝とは関係がないといえるのです。





親から運動神経は遺伝しないが、運動能力は遺伝する

運動神経は遺伝しませんが、運動能力は遺伝します。

「え?さっきと言っていることが違うじゃないか」と思う方もいるでしょう。

ここで、運動神経と運動能力の違いを簡単に解説していきますね。


運動神経・・・俊敏性、バランス感覚、リズム感など。

幼少期の効果的な運動体験によって形成される後天的なもの


□運動能力・・・体の骨格、筋力、筋肉の持久能力・瞬発的能力、筋肉のつきやすさなど。

遺伝によって形成された先天的なもの。


例えば、身長が高い両親の子どもは身長が大きくなる傾向がありますよね?そういった遺伝によって生まれ持った特性のことを運動能力と言います。

しかしながら、運動能力が高いからと言って、運動神経がいいとは限りません。生まれ持って身長が大きいという運動能力があっても、早く走るという運動神経がないと、結局のところ意味がないということです。


子どもの運動神経発達に大切な時期 "ゴールデンエイジ"


子どもの運動神経には「ゴールデンエイジ」と呼ばれる大切な時期があります。

「ゴールデンエイジ」は、一生に一度の貴重な期間ということから、このように呼ばれています。



ゴールデンエイジとプレ・ゴールデンエイジ

お子様の年齢で3〜12歳頃までの期間を指し、この時期にさまざまな運動を経験することで運動能力の向上にかかわっている神経系が急激に発達していきます。


その中でも特に、小学校入学後の8歳ごろまでの幼児期は「プレ・ゴールデンエイジ」と呼ばれます。著しく神経が発達し、8歳頃までに神経系の約90%はできてしまうと言われています。

この時期にどんな運動をどれだけ経験したかによって、将来の運動神経が左右されるのです。



ポスト・ゴールデンエイジ


13歳〜15歳ごろの期間をポスト・ゴールデンエイジと言います。

ゴールデンエイジが過ぎ、体格が大きく変わり始める時期です。骨格や筋力が急激に発達をし、パワーやスピードも成長します。

神経系はすでにほぼ形成されているので、新しい動きや技術を習得するのは難しい時期です。身につけたスキルを反復することで、さらに精度を高め、より進歩することを目指します。

また、戦略的な理解が深まる時期なので、戦術や状況判断などを考え、実戦でもトレーニングしていくのが効果的です。



子どもの運動神経アップのポイントは「適切な環境づくり」


先ほども解説した通り、子どもの運動神経を高めるためには、3〜12歳頃(ゴールデンエイジ)までの間にさまざまな運動経験が重要です。

この時に、大切なことは特定のトレーニングだけを行うのではなく、"遊び" を通していろいろな経験を重ねることです。


昔は、子どもたちが自然に遊ぶ中で身につけられましたが、現代の遊び(ゲーム機など)はあまり身体を使うことが少なく、外で遊ぶ機会も減っています。


昔は意識せず経験できていた動きも、現代では意外と経験していない場合が多くあります。

そのために、走ったり、しゃがんだり、寝転んだり、ジャンプしたり・・・子どもがさまざまな動きを経験できるような環境を、親御さんが日頃から意識してつくってあげることが大切です。

とはいっても、特別なことをする必要はありません。

一緒に散歩へ行くだけでも、歩いたり走ったりする機会を増やすことができます。公園へ連れて行けば、砂場遊びやボール遊び、鬼ごっこなどを通して、座ったり飛んだり投げたりと幅広い動きを経験させることができます。

スキップやケンケンをしたり、普段あまりしない動きをすることでリズム感覚も養われます。

この時に注意が必要なポイントは、子どもが自発的に楽しめるようにすること。

子どもの運動神経を伸ばしてあげたいという気持ちから、大人が無理やりやらせては意味がありません。逆に、楽しいと思えば特に促さなくても、何度も繰り返して夢中になってくれます。

ぜひ、子どもが熱中するものの中から楽しみを見つけて、遊びながらさまざまな動き・運動を経験できる環境をつくってあげてみてください。遊んでいるうちに、自然と足腰が鍛えられ、運動神経がアップしていきます。

 

 


 

子どもの運動神経を伸ばすおすすめの「遊び」


一見、運動とは関係ないような遊びや動きの中に、運動能力を高める要素がたくさん詰まっています。

子どもの運動神経を伸ばすために、おすすめの遊びをご紹介します。

 

□ 複合遊具(アスレチック)

滑り台や吊り橋など、さまざまな遊具が一体となった複合遊具(アスレチック)。握力、空間認知能力、バランス感覚に加え、「どこから行こうか」「ここ行ったらどうなるかな?」などと考えながら遊ぶため、思考力も鍛えられます。

 

□ 鬼ごっこ(かけっこ)

鬼ごっこは、走る力やスピードの緩急、反射神経などさまざまな能力アップが期待できます。狭い公園なら敏捷性が養われ、広い公園では持久力が身につきます。

 

□ うんてい

棒にぶら下がるためには、自分の体重を支える腕力と握力が必要です。前に進むことで体幹も鍛えられます。さらに、自分の体と棒の距離間をはかりながら遊ぶことで、空間認識能力を養うこともできます。

 

□ ブランコ

ふわっと浮いたような感覚を体験する中で、チェーンを握る力や地面を足で蹴る力などが身につきます。

体の姿勢を整えたり、高さを出すために足の振りの強さを調整したりと、全身の使い方も学べます。

 

□ ボール遊び

ボールがひとつあれば、さまざまな遊びができます。転がしてみよう、何かに当ててみよう…など、子どもたちと一緒にいろいろなアイディアを出し合いながら楽しんでみてください。

 

 

運動神経のゴールデンエイジに遊びを通して子どもと一緒に色んな動きを楽しもう

3〜12歳頃の期間は、運動神経がグッと伸びる大切な時期。

どんなお子さんでも、この時期に適切な運動経験をすることで、運動神経が伸びる可能性があります。「うちの子は運動が苦手だけど、遺伝だから仕方ない」とあきらめないでくださいね。

夢中になれる遊びを通して、さまざまな動きの経験を重ね、一緒に楽しみながらお子さんの運動神経をアップさせましょう。

 

 


bottom of page