風邪をひきやすい人・ひきにくい人の違いとは?免疫力は遺伝するの?
インフルエンザが流行する季節になってきましたね。
毎年のように風邪をひく人がいる一方で、何年も風邪をひいていないという人もいます。
同じような環境で生活していても、感染症にかかりやすい人と、かかりにくい人がいるのはなぜなのでしょうか?
「生まれつき身体が弱いから?」「親が風邪をひきやすいと、子どもも同じなの?」「免疫力を高めれば、病気にかかりにくくなる?」
今回は、そんな疑問について、免疫と遺伝、生活習慣の関係から考えていきましょう。

そもそも、免疫力とは?
私たちの身体には、ウイルスや細菌などの病原体から身を守るための「免疫」という仕組みが備わっています。
免疫は、身体に侵入してきた病原体を認識し、排除しようと働く防御システムです。
免疫には、大きく分けて2つの仕組みがあります。
① 自然免疫:最初に身体を守る仕組み
自然免疫は、病原体が侵入したときに最初に働く防御システムです。
皮膚や粘膜によるバリア機能に加え、侵入した病原体を認識して攻撃する免疫細胞などが関係しています。
この働きには遺伝子が関わっており、生まれ持った体質によって、病原体に対する反応に違いが生じることがあります。
② 獲得免疫:経験を通じて身につく防御の仕組み
獲得免疫は、特定の病原体を認識し、効率よく対処する仕組みです。
例えば、インフルエンザウイルスに感染したり、ワクチンを接種したりすると、そのウイルスに対する免疫反応が生じます。
こうした経験によって免疫記憶が形成されると、同じ、あるいはよく似た病原体に再び遭遇した際に、免疫が反応しやすくなります。
ただし、インフルエンザウイルスのように性質が変化する病原体もあるため、一度感染したからといって、その後は感染しなくなるわけではありません。
このように、免疫には生まれ持った性質と、感染やワクチン接種などの経験によって変化する部分があるのです。

免疫力は遺伝するの?
結論からいうと、免疫の働きや、特定の感染症へのかかりやすさには遺伝が関係しています。
免疫に関わる遺伝子には個人差があり、病原体を認識する能力や、免疫反応の起こり方などに影響を与えることがあります。
そのため、同じ病原体に接触しても、人によって感染のしやすさや症状の現れ方が異なる場合があります。
ただし、ここで注意したいのが、遺伝だけで病気のかかりやすさが決まるわけではないという点です。
例えば、親子で風邪をひきやすい場合でも、その理由が遺伝だけにあるとは限りません。
親子には、次のような共通点もあるからです。
同じ家で生活している
食事や睡眠などの生活習慣が似ている
同じような環境でウイルスに接触する
手洗いや換気などの感染対策が似ている
つまり、親子で感染症にかかりやすさが似ていたとしても、遺伝と生活環境のどちらが影響しているのかを、簡単に区別することはできません。
「親が風邪をひきやすいから、子どもも必ず風邪をひきやすくなる」というわけではないのです。
何年も風邪をひかない人は、免疫力が高いの?
何年も風邪をひいていない人を見ると、「きっと免疫力が高いのだろう」と考えたくなりますよね。
しかし、風邪をひかない理由は、免疫力の高さだけでは説明できません。
例えば、次のような要因が考えられます。
● ウイルスに接触する機会が少ない
人混みに出かける機会や、感染者と接する機会が少なければ、病原体に接触する機会も減ります。
● 過去の感染経験が影響している
以前に感染したウイルスに対して免疫記憶が残っていれば、次に同じようなウイルスに遭遇したとき、免疫が働きやすくなることがあります。
● 感染しても症状が軽い
ウイルスに感染していても、症状が非常に軽かったり、ほとんど自覚できなかったりする場合があります。
● 風邪の原因となるウイルスが異なる
風邪の原因となるウイルスには、さまざまな種類があります。
あるウイルスに対する免疫があっても、別のウイルスによる感染を防げるとは限りません。
このように、風邪をひく回数には複数の要因が関係しています。
風邪をひかない人が、あらゆる病気に強いとは限りません。反対に、風邪をひきやすいからといって、必ずしも免疫力が低いわけでもないのです。
免疫力を支えるために、日常生活でできること
遺伝的な体質を自分で変えることはできません。
しかし、生活習慣を整え、感染症のリスクを減らすことはできます。
ここからは、日常生活で意識したい4つのポイントをご紹介します。

① 睡眠を十分にとる
睡眠は、免疫システムが正常に働くためにも重要です。
睡眠不足が続くと、身体のさまざまな機能に影響が及ぶ可能性があります。
忙しい時期ほど夜更かしを控え、十分な睡眠時間を確保しましょう。
② 栄養バランスのよい食事を心がける
免疫細胞も、身体を構成する細胞の一つです。
そのため、エネルギーやたんぱく質をはじめ、ビタミンやミネラルなどを十分に摂取することが大切です。
肉、魚、卵、大豆製品、野菜、果物など、さまざまな食品を組み合わせて食べましょう。
特定の食品やサプリメントだけで免疫力が高まるわけではありません。まずは、日々の食事で必要な栄養素を過不足なく摂ることを意識しましょう。
③ 適度な運動を取り入れる
ウォーキングなどの適度な運動は、健康維持に役立ちます。
身体を動かす習慣は、筋力や体力の維持だけでなく、睡眠や気分の調整にもよい影響を与える可能性があります。
一方で、激しい運動をすればするほど免疫力が高まるわけではありません。
疲労が蓄積しているときは無理をせず、運動と休養のバランスを大切にしましょう。
④ 感染対策を忘れない
免疫機能を支える生活習慣と同じくらい重要なのが、病原体に接触する機会を減らすことです。
例えば、次のような対策が挙げられます。
外出後や食事前に手を洗う
室内を適切に換気する
人混みや感染者と接する場面では、状況に応じてマスクを使用する
インフルエンザワクチンなど、年齢や健康状態に応じた予防接種を検討する
睡眠や食事を整えていても、感染症にかかることはあります。
だからこそ、身体の内側から健康を支えることと、外からの感染リスクを減らすことの両方が大切なのです。

まとめ:病気のかかりやすさは、遺伝だけでは決まらない
風邪をひきやすい人と、ひきにくい人。
その違いには、遺伝的な体質だけでなく、生活習慣、年齢、過去の感染経験、ウイルスに接触する機会など、さまざまな要因が関係しています。
生まれ持った体質を変えることは難しくても、日々の生活を見直すことはできます。
十分な睡眠、バランスのよい食事、適度な運動、そして基本的な感染対策。
こうした習慣を積み重ねることが、健康を維持するための土台になります。
インフルエンザが流行するこの時期、特別な健康法に頼るのではなく、まずは普段の生活を振り返ってみてはいかがでしょうか?
身体の状態は、毎日の小さな積み重ねによって支えられています。
元気に毎日を過ごすためにも、自分にできることから始めていきましょう。




