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女性の12人に1人?うつ病について 〜産後うつの症状や期間、産後うつに備える方法とは〜



出産後の女性に起こる「産後うつ」は、症状が悪化すると命にかかわる危険性もあるため、早期の気づきと対策が必要とされています。

産後うつになる原因は複数ありますので、正しい知識を得て、理解を深めましょう。


今回はでは、産後うつの概要やマタニティーブルーとの違い、産後うつの原因と主な症状、予防法・治療法について解説します。



産後うつとは?マタニティーブルーとの違いについて


産後うつとは、その名の通り、出産後に起こるうつ症状です。

女性の場合、約12人に1人が一生のうちに一度はうつ病に陥るというデータがあります。これは実に多い数字ですね。中でも、ホルモンバランスが乱れる妊娠中や産後はうつ病が起こりやすい時期と言われています。


産後うつの症状が現れたタイミングで早めに適切な対処・治療を行えば快方に向かうこともあります。しかし、家族や周囲に理解してもらえなかったりサポートを得られなかったりすると悪循環に陥り、症状がどんどん重くなっていきます。

産後うつは自然治癒するケースは少なく、放置していると症状が悪化していき、自傷行為にまで発展する恐れもありますので、早期発見・早期治療が重要とされています。


マタニティーブルーとの違い


出産期の精神状態について調べると、産後うつという言葉と共に、マタニティーブルーという単語を耳にすることがあるでしょう。マタニティーブルーとは、妊娠中から産後までの時期に憂鬱な気分に陥ったり、落ち込んだりする状態のことです。妊娠をきっかけに、心身に変化をきたすのは産後うつと共通していますが、産後のマタニティーブルーは、2週間程度で症状が収まる場合がほとんどです。

一方、産後うつは産後6週から8週の間に発症するケースが多く、なかなか症状が改善しません

マタニティーブルーの場合、症状が長引かなければ特別な治療は必要ありませんが、産後うつは適切な治療を受けないと悪化する恐れもあるので要注意です。

マタニティーブルーと産後うつは発症する時期が重複するので混同されがちですが、マタニティーブルーだと思って放置していたら産後うつが悪化するケースも考えられますので、注意が必要です。

なお、マタニティーブルーと産後うつでは症状がやや異なり、マタニティーブルーは漠然とした不安や落ち込みを感じますが、産後うつは不眠や食欲不振、強烈な不安、涙もろくなるなどの症状が現れる傾向にあります。

ただ、素人が判断するのは難しいので、気になる症状が現れたら専門機関の受診をおすすめします。


産後うつを発症しやすい人の特徴


産後うつは、出産を終えた女性の誰にでも起こりうる症状ですが、特に以下のような特徴を持つ人は発症リスクが高いと言われています。


1.真面目で責任感が強い

2.完璧主義である

3.家族との関係に問題がある

4.助けを求められる人がいない

5.マタニティーブルーを経験した 

6.精神的な疾患の既往歴がある


これらの特徴を持つすべての人が産後うつになるわけではありませんが、発症するリスクが高いと自覚していれば、産後に向けて心構えをしたり、何らかの対策を講じたりすることが可能になるでしょう。



産後うつになるとどうなるの?

慢性腰痛

ストレス、うつ、不安などを長期間感じていると、脳でドパミンが放出されにくくなって、腰痛が長引いたり、わずかな痛みでも強く感じたりするようになります。

うつによる慢性腰痛の問題点は、悪循環が起きやすいということです。たとえば、精神的要因の有無をはっきりさせないまま腰痛の治療を繰り返していると、効果が出ないため治療への不満や、痛みへの不安や不満が増し、ストレスや不安がさらに増えるという悪循環が起こります。

 

産後うつになった時に現れる症状には個人差がありますが、以下のような症状が見られることがあります。 


①体の痛みが取れない(特に腰痛)

②不眠、眠りが浅い

③食欲不振、吐き気

④涙もろい

⑤強い不安を感じる

⑥笑顔がない

⑦慢性的な疲労、痛み

⑧だるさ、倦怠感を感じる

⑨日常生活をうまくこなせない

⑩見た目に気を遣わなくなった

⑪子どもをかわいいと思えない

⑫自傷や自死を考えることがある


上記のような症状に該当する数が多ければ多いほど、産後うつの疑いが強くなります。

このうちのいくつかはマタニティーブルーの症状と重複しますが、症状が2週間以上続く場合は産後うつの可能性が高まりますので、専門機関を受診しましょう





産後うつは何科にかかればいい?


産後うつかもしれないと思ったら、出産した産婦人科か、もしくは心療内科、精神科を受診しましょう。

産科の場合、産後サポートを行っている保健師や専門家が在籍しているかどうか、あらかじめチェックしておくと安心です。



予防法と治療法について解説


産後に「つらい」「苦しい」と思ったら、まず周囲に助けを求めることが大切です。「母親なんだから当たり前」「みんな出来ているはず」などと自分を追い込むと、産後うつに陥るリスクが高くなります。

慣れない育児で心身に負担がかかるのは当たり前のことですので、遠慮などせず、家族や親戚、友人、専門家などに話を聞いてもらいましょう。

また、普段の生活では決して無理をせず、「がんばりすぎない」ことを意識するのがポイントです。心身に疲れを感じたら休息を取り、体力と気力の回復に努めましょう。

家事や育児も自分ひとりでこなそうとせず、時には家族や親戚の手を借りたり、育児サービスを利用したりするのも一つの方法です。

家事についても完璧を求めず、「後回しでいいか」「簡単に済ませてしまおう」など、気持ちにゆとりを持って過ごすと、身体も心も楽になります。

そのためには、パートナーをはじめ、両親や親戚など、周囲の協力が必要不可欠です。

特にパートナーには産後うつについての理解を深めてもらい、症状が出たときにどうしてほしいのか、どのようなサポートを行うべきなのか、事前によく話し合っておきましょう。

たとえば、疲れたときはパートナーが食事の準備をする、週に1回は好きなことをする時間を確保するなど。

パートナーもあらかじめやるべきことを理解しておけば、いざママが産後うつになってもあわてたり混乱したりせず、冷静に対応しやすくなります。


産後うつの治療法


産後うつにかかった場合の治療法は、一般的なうつ病と同じで、抗うつ薬の投与が主な手段となります。

授乳中に医薬品を服用することについて、抵抗を感じる方も多いと思いますが、近年はどの時期に、どのような副作用が、どのくらいの頻度で起こるのかなどの医療データが蓄積され、安全な投薬治療が確立されつつあります。

投薬治療以外にも、産後うつへの効果が確認されている認知行動療法や対人関係療法を用いるといった選択肢もありますので、専門家と相談しながら自分に合った方法で治療を行いましょう。



まとめ


一過性の症状であるマタニティーブルーとは異なり、産後うつは悪化すると自傷行為や自死につながる恐れのある心の病です。

慣れない育児に奮闘して身も心も疲れ切っている中、自分ひとりで頑張ろうとすると、自覚のないまま産後うつに陥ってしまう恐れがあります。

気分が落ち込む、突然涙が出てくる、食欲が湧かない、眠れないといった症状が現れ、2週間経っても改善されない場合は、なるべく早めに医師に相談しましょう。

一般的なうつ病と同じ治療を行えば、徐々に症状が収まり、産前の状態に戻ることも可能です。


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