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気温だけでは暑さは分からない?日射・放射熱と身体の体温調節

2 時間前
読了時間: 6分

秋になり、朝晩は涼しく過ごしやすくなってきましたね。

しかし、日中はまだ暑い日も多く、気温が19〜21℃程度でも、太陽が出ている場所では汗ばむことがあります。


「気温はそれほど高くないのに、どうしてこんなに暑いのだろう?」

実は、私たちが感じる暑さは、気温だけで決まるわけではありません。

太陽から受ける日射や地面からの放射熱、湿度、風など、さまざまな要素が関係しています。

今回は、意外と知られていない「気温と体感温度の違い」について、身体の仕組みと合わせて解説します。

紅葉した木が並ぶ公園




気温20℃でも暑く感じるのはなぜ?

まず、気温と体感温度は別物だということを知っておきましょう。


例えば、気温20℃の日を想像してみてください。

  • 日陰にいると少し肌寒い

  • 日なたに出ると暖かく、汗ばむこともある

  • 風が吹くと急に涼しく感じる

同じ気温なのに、場所や環境によって感じ方が変わりますよね。


これは、身体が周囲の空気から受ける熱だけでなく、太陽光や地面、建物などから受ける熱の影響も受けているためです。

特に日なたでは、太陽から直接届くエネルギーを身体が吸収します。

そのため、気温がそれほど高くなくても、身体に熱が蓄積し、暑さを感じることがあります。

つまり、気温計が示す20℃という数字だけでは、実際に身体が感じる暑さを判断できないのです。

汗を拭う男性



暑さを左右する「放射熱」とは?

ここで登場するのが「放射熱」です。

放射熱とは、物体から電磁波として伝わる熱エネルギーのことです。


身近な例では、

  • 太陽から受ける熱

  • 暖房器具の前に立ったときに感じる暖かさ

  • 夏のアスファルトから感じる熱気

  • 日没後も建物や道路から感じる熱

などがあります。

特に屋外では、太陽からの直接的な日射が大きな影響を与えます。

また、太陽光を受けて熱くなったアスファルトや建物からも赤外線が放出されます。

そのため、日なたでは空気の温度以上に暑さを感じることがあるのです。

このように、周囲の物体から受ける放射熱を総合的に評価する指標に「平均放射温度(MRT)」があります。

MRTは、身体が周囲のあらゆる方向から受ける放射熱を温度に換算したものです。

例えば、同じ気温20℃でも、太陽の光を直接受ける場所と、日陰の場所ではMRTが大きく異なります。

これが、気温が同じなのに暑さの感じ方が変わる理由の一つです。

アスファルトの上を走る男女




昔より日差しが強くなっている?

ここで気になるのが、昔と比べて太陽の日差しそのものが強くなっているのか、という問題です。

実は、日本では過去に地表へ届く太陽光の量が変化してきました。

気象庁の観測によると、日本の全天日射量は1970年代後半から1980年代後半にかけて減少し、1990年頃から2000年代初めにかけて増加しました。

その後は、国内の観測地点平均では大きな変化が見られていません。

この変化には、大気中の微粒子(エアロゾル)の量や性質、雲量などが関係しています。

大気中の微粒子には太陽光を散乱・吸収する働きがあるため、大気汚染対策などによって微粒子が減少すると、地表に届く太陽光が増える場合があります。

一方、紫外線についても、オゾン層の変化などによって地上に届く量が変わります。

ただし、紫外線が増えることと、暑さをもたらす熱エネルギーが増えることは別の問題です。

また、地球温暖化によって気温そのものも上昇しています。

つまり、現在の暑さを考える際には、日射量だけでなく、気温や周囲の熱環境などを総合的に見る必要があります。

青空と太陽



身体はどうやって暑さに対応している?

私たちの身体には、体温を一定の範囲に保とうとする「体温調節機能」が備わっています。

暑くなると、身体は主に次の2つの方法で熱を外へ逃がそうとします。


1. 血管を広げて熱を放出する

身体が暑さを感じると、皮膚の血管が拡張します。

すると、身体の内部を流れる血液が皮膚の表面に多く流れるようになり、身体の熱を外へ逃がしやすくなります。

顔が赤くなったり、皮膚が温かくなったりするのは、この働きによるものです。


2. 汗をかいて身体を冷やす

もう一つが発汗です。

汗が皮膚の表面で蒸発するとき、周囲から熱を奪います。

これを「気化熱」といいます。

汗をかくこと自体が身体を冷やすのではなく、汗が蒸発することで身体の熱が奪われるのです。

ただし、湿度が高い環境では汗が蒸発しにくくなるため、身体を冷やす効率が低下します。

その結果、気温がそれほど高くなくても、湿度が高いと暑さや不快感が強くなることがあります。




気温だけでなく「暑さ指数(WBGT)」にも注目!

ここまで説明したように、身体が感じる暑さには気温以外の要素も関係しています。

そこで活用したいのが「暑さ指数(WBGT)」です。

WBGTは、気温・湿度・日射や周囲からの放射熱・風などを考慮して、熱中症の危険性を評価する指標です。

一般的な気温計とは異なり、身体と外気との熱のやり取りに着目している点が特徴です。

特に注目したいのが、湿度と日射の影響です。

例えば、気温が同じ20℃でも、

  • 湿度が高い

  • 風が弱い

  • 強い日差しを受けている

といった条件が重なると、身体に熱がこもりやすくなります。

気温だけで暑さを判断せず、環境省が公表している暑さ指数も参考にしてみましょう。



秋こそ気をつけたい!身体の熱中症対策

夏が終わると、熱中症への警戒心が薄れがちです。

しかし、気温が下がってきたからといって、身体に熱がこもらなくなるわけではありません。

秋の屋形船


特に秋の行楽や屋外での活動では、次のポイントを意識しましょう。

① 日差しを避ける

長時間、直射日光を浴び続けないようにしましょう。

帽子や日傘を活用し、適度に日陰で休憩することも大切です。


② こまめな水分補給

涼しくなると、夏ほど喉の渇きを感じなくなることがあります。

しかし、汗をかけば水分は失われます。

喉が渇く前から、こまめに水分を補給する習慣をつけましょう。

大量に汗をかいた場合は、水分だけでなく塩分の補給も考えましょう。


③ 服装で体温調節する

秋は朝晩と日中の気温差が大きくなりやすい季節です。

厚着をしすぎると、日中に汗をかいて身体に熱がこもることがあります。

脱ぎ着しやすい服装を選び、気温や活動量に合わせて調整しましょう。


④ 無理をせず休憩する

身体が暑いと感じたら、無理をせず涼しい場所で休みましょう。

頭痛、めまい、吐き気、強い倦怠感などがある場合は熱中症の可能性もあります。

意識がおかしい、自力で水分が摂れないといった場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。



まとめ:暑さは気温だけでは判断できない!

今回は、気温と体感温度の違いについて解説しました。

私たちが感じる暑さには、気温だけでなく、日射・放射熱・湿度・風など、さまざまな要素が関係しています。

特に秋は、気温が下がって過ごしやすくなる一方で、日なたでは意外と汗をかいていることがあります。

「もう秋だから大丈夫」と油断せず、その日の天候や身体の状態に合わせて体温調節を心がけましょう。

気温の数字だけにとらわれず、身体が感じる暑さにも目を向けることが、健康的に秋を楽しむポイントです。

当院でも、季節の変わり目に起こりやすい身体の不調についてご相談をお受けしています。

日々の体調管理を大切にしながら、快適な秋を過ごしていきましょう!

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