産後、生理が変わるのはなぜ?再開時期・生理痛・経血量の変化を解説
妊娠中は生理が止まり、出産を迎えると、少しずつ妊娠前の身体へと変化していきます。
そんな中、産後の女性からよく聞かれる疑問のひとつが
「生理はいつ再開するの?」
「出産してから生理痛が変わるって本当?」
というものです。
実際に、産後の生理は再開する時期に個人差があるだけでなく、妊娠前と比べて生理痛が軽くなったり、反対に重くなったり、経血量が変わったりすることもあります。
なぜ、このような違いが生まれるのでしょうか?
今回は、妊娠中・産後のママたちに向けて、産後の生理に起こる変化と、その理由について解説します。

1.産後、生理はいつから再開するの?
出産後、しばらくすると気になってくるのが生理の再開時期です。
一般的には、産後数か月で再開する人もいれば、1年以上経過してから再開する人もいます。
特に授乳をしている場合は、生理の再開が遅くなる傾向があります。
では、なぜ産後の生理には、これほど大きな個人差があるのでしょうか?
ポイントは「授乳」と「ホルモンバランス」
生理の再開に大きく関係しているのが、ホルモンの働きです。
母乳をつくるために重要なホルモンに「プロラクチン」があります。
赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激によってプロラクチンの分泌が促されると、排卵に関わるホルモンの働きが抑えられ、排卵が起こりにくくなることがあります。
その結果、生理の再開が遅れる場合があるのです。
一般的には、次のような傾向があります。
母乳を与えていない場合: 比較的早く生理が再開する傾向がある
母乳とミルクを併用している場合: 授乳の頻度などによって再開時期が変わる
母乳を中心に育てている場合: 生理の再開が数か月以上遅れることがある
ただし、これらはあくまでも傾向です。
母乳を与えていても早く生理が再開する人もいれば、授乳をしていなくても再開まで時間がかかる人もいます。
「産後○か月なのに生理が来ない」と、必要以上に心配する必要はありませんが、気になる症状がある場合や、再開時期について不安がある場合は、産婦人科に相談してみましょう。
生理が再開する前でも妊娠する可能性がある?
ここで、もうひとつ知っておきたいことがあります。
それは、生理が再開する前でも、妊娠する可能性があるということです。
生理は排卵の後に起こるため、最初の生理が来る前に排卵が起こることがあります。
そのため、「まだ生理が来ていないから妊娠しない」とは限りません。
次の妊娠を希望していない場合は、授乳中であっても避妊について考えておくことが大切です。

2.産後、生理痛が軽くなる人がいるのはなぜ?
妊娠前は生理痛がつらかったのに、出産後は痛みが軽くなった。
このような変化を経験する女性もいます。
その理由のひとつとして考えられるのが、出産に伴う子宮や子宮頸部の状態の変化です。
生理痛には子宮の収縮が関係している
生理痛が起こる仕組みを簡単に説明しましょう。
生理のとき、子宮内では「プロスタグランジン」という物質が働き、子宮を収縮させて経血の排出を促します。
この物質が多くつくられると、子宮の収縮が強くなり、生理痛が起こりやすくなります。
また、子宮の出口にあたる子宮頸部の状態なども、痛みに関係する場合があります。
経腟分娩を経験すると、子宮頸部などの状態が変化することがあり、それが生理痛の変化に関係している可能性があります。
ただし、出産によって必ず生理痛が軽くなるわけではありません。
妊娠前と変わらない人もいれば、出産後に痛みが強くなる人もいます。
また、子宮内膜症などがある場合は、妊娠中のホルモン環境の変化によって症状が一時的に軽くなることもありますが、出産後に再び症状が現れることもあります。
つまり、産後に生理痛が軽くなったからといって、必ずしも病気が治ったとは限らないのです。
3.反対に、産後に生理痛が重くなることもある?
では、出産後に生理痛が以前より強くなった場合はどうでしょうか?
産後はホルモン環境が大きく変化するため、生理の周期や出血の状態が妊娠前と異なることがあります。
生理が再開してもしばらく周期が安定しないこともあり、こうした変化が生理の感じ方に影響する場合があります。
ただし、生理痛が強くなった場合、すべてを産後のホルモンバランスの変化だけで説明できるわけではありません。
例えば、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患が関係している可能性もあります。
特に、次のような変化がある場合は注意しましょう。
妊娠前より生理痛が明らかに強くなった
痛み止めを使っても痛みが十分に治まらない
生理のたびに日常生活に支障が出る
生理以外の時期にも下腹部痛がある
「産後だから仕方がない」と我慢せず、婦人科に相談することが大切です。

4.経血量が増えたり、減ったりするのはなぜ?
生理痛だけでなく、経血量が妊娠前と変わることもあります。
以前より経血量が増える人もいれば、減る人もいます。
こうした変化には、複数の要因が関係しています。
ホルモンバランスと排卵の状態
生理のときに排出される経血は、妊娠に備えて厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちたものです。
子宮内膜の発達には、女性ホルモンが関係しています。
産後はホルモン環境が変化するため、子宮内膜の発達や剥がれ方にも変化が生じることがあります。
また、授乳中などは排卵が不規則になることがあり、生理の周期や出血のパターンが変わる場合もあります。
そのため、産後に経血量が変わることがあるのです。
ただし、経血量の変化はホルモンだけが原因とは限りません。
子宮筋腫などの婦人科疾患が影響することもあるため、変化が大きい場合は注意が必要です。
経血量が増えたときは要注意
特に気をつけたいのは、経血量が急に増えた場合や、出血が長く続く場合です。
例えば、次のような症状がある場合は、婦人科に相談しましょう。
ナプキンを頻繁に交換しなければならないほど出血が多い
大きな血の塊が繰り返し出る
生理が長期間続く
出血に伴って、めまいやふらつきがある
出血が非常に多い場合や、強いめまい・ふらつきなどを伴う場合は、速やかに医療機関を受診してください。
なお、出産後しばらく続く「悪露(おろ)」は、生理とは別のものです。
産後の出血が生理なのか、それ以外の出血なのか判断できない場合も、産婦人科で確認しましょう。
5.産後の身体は、少しずつ変化していく
妊娠・出産は、女性の身体に大きな変化をもたらします。
妊娠中はホルモン環境が変わり、出産後は授乳や育児をしながら、身体が少しずつ変化していきます。
その過程で、生理の再開時期や生理痛、経血量が妊娠前と異なることは珍しくありません。
一方で、産後の生理に起こる変化には個人差があり、誰もが同じ経過をたどるわけではありません。
大切なのは、ほかの人と比べることではなく、自分自身の身体の変化を把握することです。
生理が再開したら、周期や出血量、痛みの程度などを記録しておくと、変化に気づきやすくなります。
また、育児中は自分の身体のことを後回しにしがちです。
しかし、睡眠不足や疲労が続く時期だからこそ、自分の身体にも目を向けてあげてください。
生理痛が強くなった、出血量が明らかに増えたなど、気になる変化があれば、無理をせず婦人科に相談しましょう。

まとめ
産後の生理には、次のような変化が起こることがあります。
授乳によるホルモンの変化などによって、生理の再開時期が変わる
出産後に生理痛が軽くなる人もいれば、重くなる人もいる
ホルモン環境や排卵の状態などによって、経血量が変化することがある
痛みや出血の変化が大きい場合は、婦人科疾患が隠れている可能性もある
産後の身体は、妊娠前とまったく同じ状態に戻るとは限りません。
変化そのものを過度に心配する必要はありませんが、つらい症状を我慢する必要もありません。
赤ちゃんのお世話と同じくらい、ご自身の身体も大切にしてあげてくださいね。



